天井が低いので飾り(千木)を取ってもいいですか?








本来あるべきものを取ってしまうのは良くありません。

 多くのの神棚の屋根の上には溝があって、「千木」(ちぎ)と呼ばれるものを載せる構造になっています。最近の家は鴨居と天井の間が狭いので、この千木を取り払ってしまえば、ちょうど良い具合に神棚が納まるという場合があります。別にたいした飾りでもないようなので、この千木を付けずに神棚をお祭りしているご家庭もあるのではないでしょうか。
 

 神棚は「天照皇大神宮」を中心にして御札を納めますから、伊勢神宮の正宮(しょうぐう)の作りである神明作りをまねて作られているものが多数です。この構造は古代の倉の構造を受け継いでおり、屋根を支える構造材を交叉した部分で切らずに、天に突き出させたものが千木になったとされています。後の世になって神社建築特有の「飾り」として変化し、神棚に付いているような「置き千木」が生まれました。

 飾りなのだから、付けなくても支障がないかと言ったらそんな事はありません。祝詞の中に「
高天原に千木高知りて」(たかまのはらにちぎたかしりて)という言葉がよく出てきます。これは、「天に届くほど高い千木(屋根が高く立派な事)」という意味で神様にふさわしい立派な建物である事を表しています。また、天に向かってまっすぐ伸びる千木は「昇運」の象徴でもあります。

 本来、千木が付いている神棚にこれを付けないのは、完成直前に工事を止めてしまうようなものであり、流行??の手抜き工事かもしれません。ましてや「昇運」の象徴であるからには
必ず付けるべきものと心得てください。

 新築や改築の際、神棚の場所や方角を気にかける方は多いようですが、高さまで考える方は少ないようです。神棚は御札を納める為のものであり、御札を納められる大きさとなると、それなりの高さになります。家が完成してから大騒ぎする事のないように、
神棚の高さもお気をつけください。

 





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