祭器具の選びかた
神棚をおまつりするにあたって必要となる器具について

   瓶子(へいし) 平瓮(ひらか) 高杯(たかつき) 水玉(みずたま) 榊立て (さかきたて)
 三方(さんぼう)・折敷(おしき) 注連縄(しめなわ) 灯明(とうみょう) 神棚 の棚(かみだなのたな)





神棚をおまつりするにあたって、必ず用意しなければならない物、用意した方がよい物について、どんな物を購入したらよいのか神職の視点から説明いたします。無くても全く差し支えない鏡、神前幕については省略します。

 



器(うつわ)について
 


素焼き、もしくは白い釉薬の器を用いますが、最近では素焼きは高価で売っている店も少ないようです。

素焼きの器は汚れが付くと落ちにくく、家庭用としてはおすすめできません。

サイズは昔ながらの「寸」で表されています。家庭用の比較的小型のものは五分(1.5センチ)きざみであるようです。

ホームセンターでは、セットで売っていることが多い物ですが、できるなら神具店や陶器の専門店で一つ一つ選んで求めたいものです。

 


瓶子(へいし)

お酒を入れる器です。寸法は「高さ」になります。
神前にお供えして拝礼する際にはふたをとります。

お酒は絶対にお供えしなければならないというものではないので、瓶子をそろえるかどうかは任意です。
そろえる際には1対(2個)そろえましょう。


あまり小さなものは、一升瓶からお酒を注ぐことが困難です。
せめて三寸以上あるものを買うようにしましょう。



平瓮(ひらか)

お皿です。主に米をお供えするために用います。
また、塩のお供え用としても可。寸法は「直径」になります。

お米は炊いたごはんでもかまいませんが家族が食べる前にお供えしましょう。

お餅や、それぞれの季節の旬のものをお供えすることを考えるならば
お米(塩)用として2〜3寸のものと、それよりやや大きい4〜5寸のものをそろえると便利です。



高杯(たかつき)

塩のお供え用として用います。寸法は「直径」になります。
平瓮(ひらか)よりも、やや高価なので平瓮(ひらか)で代用してもかまいません。

購入の際には水玉(みずたま)と同じ寸法にしたほうが見栄えがいいようです。
小さくても使い勝手が悪いということはありません。



水玉(みずたま)

水のお供え用として用います。寸法は「直径」になります。
神前にお供えして拝礼する際にはふたをとります。

購入の際には高杯(たかつき)と同じ寸法にしたほうが見栄えがいいようです。
平瓮(ひらか)を塩用とする場合は、平瓮(ひらか)と同じ寸法にしたほうがよいでしょう。
小さくても使い勝手が悪いということはありません。



榊立て(さかきたて)

榊を立てるために使います。寸法は「高さ」になります。
そろえる際には1対(2個)そろえましょう。

榊の育たない地域では、葉の広い常緑樹で代用してかまいません。
元気がなくなってきたら取替えましょう。

小さい榊立てに大きな榊を挿すと不安定です。
あまり小さいものは避けたほうが賢明です。



三方(さんぼう)・折敷(おしき)
三方(さんぼう) 
 折敷(おしき)

お供えものは三方 (さんぼう)か折敷(おしき)にのせてお供えします。 
 写真のように綴じ目を手前にして 置きます。 寸法は「お盆」の部分の長さです。

三方は背が高く、神棚が隠れるので折敷のほうが良いと思います。
値段のほうも折敷は三方の半額程度です。
三方でも背の低いものもありますので、神棚の高さを考慮して決めてください。


いずれにしても材質による値段の差がおおきく、ヒノキの柾目を使ったものはかなり高価です。



注連縄(しめなわ)
鼓胴型(つづみどう)
大根型
牛蒡型(ごぼう)


注連縄はこの場所が神聖であることを示すものです。普通、稲藁を左ないにしたものを用います。真ん中がふくらんでいる鼓胴型(つづみどう)、両端の太さがことなる大根型、牛蒡型(ごぼう)などがありますが、どれを使っててもよく、単に細い縄でもかまいません。
 両端の太さがことなる注連縄を用いるときには、神棚に向かって右側を太く、左側を細くして取り付けます。

 
 




注連縄には普通、紙垂(しで)を四枚適当な間隔ではさみます。注連の子(注連縄から下がっている藁)がある場合はその間にはさみます。

 

紙垂(しで)の作り方



灯明(とうみょう)

必需品ではありませんが、地域によっては必要な物になっているようです。
陶器製、金属製、電気がともるものなど様々ですがどれでもかまいません。
そろえる際には1対(2個)そろえましょう。



神棚の棚(かみだなのたな)
注連縄が取り付けにくい
注連縄が取り付けやすい


棚がなければ神棚(宮形みやがた)を置くことはできません。最初から場所を考えて、建築の際に作っておけば問題ありませんが、後から「棚」を設ける際には注連縄(しめなわ)が取り付けやすい形のものを選びましょう。箱のように周囲が囲われているもの、柱があるものが良いようです。

 



おすすめの組み合わせ
祭器具を求める際のご参考までに、寸法の例を下に記します。
尚、製造業者によって同じ寸法でも若干大小があるので注意。
 組み合わせ
(小)
組み合わせ
(大)
組み合わせ
(特大)
瓶  子
3寸
4寸
5寸
平 瓮(米・塩用)
2寸
2寸5分
3寸
平瓮(餅・その他用)
4寸または5寸
5寸または6寸
6寸または7寸
高  杯
2寸
2寸5分
3寸
水  玉
2寸
2寸5分
3寸
榊 立 て
4寸
4寸5分
5寸
三方・折敷
5寸
6寸
7寸

いずれも普段は1台の三方または折敷にお供えすることとしての寸法です。



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